数年前に、京都で学会があり、最終日は時間的に余裕があったので市内を自分で歩き回った。
京都と言えば歴史ある世界でも名の知れたところである。
ぼくはお寺参りよりも京都駅周辺の商店街で美味しい物を食べたり、お土産を買ったりした。
テレビで紹介されている名門店にも足を運んだ。
一時間ほど歩いているうちに街の一角に大人のおもちゃ屋があった。
店は古ぼけた感じで、昔からある店という雰囲気を醸し出していた。
中に入ってみると、数人の男性が本や、おもちゃに興味深そうにのぞいている。
ぼくは女性の膣に入れる電動式のおもちゃに興味あったんで、いくつもの種類のものを手に取って見た。
この大きさなら女性が喜びそうかも、これは大きすぎるかな、音が派手すぎる、といったことを考えながら、たくさんの商品を試してみた。
値段はけして安くないが、大事に扱えば半永久的にもつだとうと思い、1つ購入した。
以前も別の地元の店で電動式を買ったが、使っているうちに飽きがきて、最後はごみとして捨ててしまった思い出がある。
今回も同じ感じのような気がして、そのうちに廃棄となるのか、と思うとなんだか切なくなり、商品をもとの棚に戻してしまった。
すると店員さんがやってきて、あれがほしくない、と笑顔で話しかけてみた。
ぼくは首が傾げながら、えっと返答していまった。
すると店員さんはポケットから青い錠剤をワンシートを見せてくれた。
それはまさにバイアグラであった。
シートにバイアグラと書かれてあり、製薬会社の名前まで刻んであったのだ。
これだとぼくは感じたが、これは医療機関でもったものだから誰にも譲ることができないということであった。
たしかにバイアグラは店では売られていないし、診察を受ける必要があるとはわかっていた。
1錠あたり1500円する保険適用のないものである。